時代は変わっても、かわらない
息をのむ絶景。
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男鹿半島は、古くから山岳信仰の霊場として知られており、江戸時代の17世紀半ばから後半にかけ秋田藩狩野派の絵師によって描かれたと伝えられる「男鹿図屏風」には、現在は一部陸続きとなっている海岸線の美しい島々や、一部現存しない数多くの堂社をめぐる人々の様子が描かれています。古の人々の信仰の旅に想いを巡らせながら、時空を超えた絶景クルーズをお楽しみください。
みどころ
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椿の白岩
つばきのしらいわ
江戸時代の紀行家菅江真澄が「まいたけのような形をしていて、雨と潮に濡れて青ばんでいる」と記録しており、別名「まいたけ岩」とも呼ばれています。これは約2,100万年前の激しい火山活動でできた「火山礫凝灰岩」です。
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館山崎グリーンタフ
たてやまざきぐりーんたふ
約2,100万年前の激しい火山活動でできた火山礫凝灰岩で、グリーンタフの名称はこの館山崎が発祥の地といわれています。グリーンタフのすぐそばのやや白っぽい柱のような「ろうそく岩」とともに日本の奇岩百景に登録されています。
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帆掛島
ほかけじま
帆掛船の帆に似ているということから名付けられました。男鹿半島最大の岩で高さは30mと非常に大きく、晴れた日には、30km以上離れた秋田市からも臨むことができます。
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ゴジラ岩
ごじらいわ
1995年(平成7年)に、怪獣ゴジラにそっくりなことから名付けられました。夕日時間帯に口元に夕陽と夕焼け雲を重ねた様子が火を噴いているようで人気です。
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鬼の投岩
おにのなげいわ
門前漁港から磯づたいに行った先にぽつんと立っているゴツゴツした岩で、鬼が赤神神社五社堂の石段を築いた時、あと一段のところで完成できなかった腹いせに、放り投げたと伝えられています。
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本山
ほんざん
五社堂への石段の先に続く道は本山から真山を経由し、真山神社まで至ります。全長約11kmのその道はかつて山伏などが修行をした修験の道もあり、現在でも「お山かけ」と呼ばれ、人気の登山ルートになっています。
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赤神神社五社堂
あかがみじんじゃごしゃどう
この地には860年(貞観2年)に慈覚大師円仁によって開山された赤神山日積寺永禅院という寺院があり、1870年(明治3年)に赤神神社となりました。赤神神社 五社堂は標高180mのところに、同じ形の五棟の社殿が並び建っています。
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門前大滝
もんぜんおおたき
男鹿半島西海岸には切り立った断崖を流れ落ちる滝が幾筋もあります。門前大滝はその中でも最大のもので、高さが約60mあります。かつて滝壺に不動明王を祀っていたころは、船乗りたちが海上安全を祈願する信仰の滝でした。
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竜ヶ島
りゅうがしま
竜が天に昇っていくように見えることから名付けられた高さ30mあまりの大きな島。菅江真澄は竜ヶ島について「打ち寄する波の音の間にまかせつつ、永遠に動かぬ島のとおとさ」と詠っています。1939年(昭和14年)の男鹿地震で竜の頭の部分が大きく崩れてしまいましたが、以前は海から眺めると、まるで竜が滝を昇るように見えたと言われています。
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蝙蝠の窟
こうもりのいわや
男鹿西海岸に点在する洞窟は岩石の柔らかい部分が長い時間をかけて波で侵食されえぐりとられた海食洞です。蝙蝠の窟は奥行きが70mあり、コウモリの繁殖地として県の天然記念物に指定されており、ニホンユビナガコウモリの最北の越冬地でもあります。
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舞台島
ぶたいじま
舞台「島」という名ですが実際には陸続きになっていて、海面からの高さ約60mの平らな頂上部は、まさに天空の舞台のようでありこれまでに多くの絵図にも残されています。ナマハゲ伝説と深く関係があり、その昔、漢の武帝が降り立ち巫女に舞を踊らせたという言い伝えが残されています。
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孔雀の窟
こうじゃくのいわや
西海岸の洞窟の中では規模が最も大きく、間口は7m、海水が入口から50mの奥まで入りくんでいます。周辺の入り組んだ地形や断崖絶壁に囲まれた環境から、昔、海賊が隠れ家にしたともいわれています。洞窟の中に入って海を覗くと、美しい青色に見えることから、秋田の「青の洞窟」とも言われています。
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大桟橋
だいさんきょう
海からしか見られない、男鹿西海岸のシンボルでもある石の美しいアーチ。長い時間の波の侵食によってえぐられてできた高さ10mの天然の石橋です。現在は陸続きになっていますが、江戸時代の初めには陸から離れていたことが記録に残されています。
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白糸の滝
しらいとのたき
陸上から見ることのできない滝で、本山から真っ直ぐに断崖を流れ落ちる様が、白糸の乱れ飛ぶ姿に見えることから、江戸時代の初めには既にこの名で呼ばれていました。