統人行事
東湖八坂神社の由縁
「お天王さん」と呼ばれて親しまれている東湖八坂神社は船越水道東岸に位置し、旧天王・船越村の鎮守で五穀豊饒・漁業安全を願う湖畔の社として土地の人々から信仰を集めてきました。東湖八坂神社がいつ建てられたか不明ですが、明治に至り東湖神社、東湖八坂社と改め、後に現社名となりました。
本祭は7月7日ですが祭事全体は一年をかけて行われている
祭りの起源は平安時代後期といわれ「八岐の大蛇退治」の故事と八郎潟周辺の農漁民の間に伝わる水神信仰と習合させた祭礼です。この祭事は、一年を通じて行われる貴重なもので、現在でも天王町と船越(男鹿市)が分担して行っています。牛乗りと蜘蛛舞の奇祭を中心とし、統人制のもとに牛乗りを天王側、蜘蛛舞を船越側が担っています。祭事は7月8日の「新統お竹受け」に始まり、翌年7月7日の「神輿巡行」でおわります。その間、味噌煮(3月25日)、もやし蒔き(6月20日)、箸削り(6月26日)、柏葉迎え(7月6日)、お竹迎え(7月6日)などの行事が行われ、7月7日の本祭を迎えます。本祭は神社で神楽を奉納した後、神輿が天王・船越を巡行します。神輿が八竜橋にさしかかる頃、川岸に天王側から牛乗りが登場、一方船越側は、船越水道に浮かべた船上で蜘蛛舞を演じます。この祭事は、菅江真澄(すがえますみ)の「男鹿の秋風」に詳しく記述されており、その当時と変わることなく伝えられている貴重な行事です。
船上で華麗に飛び跳ねる蜘蛛舞(くもまい)
二艘船には、笛や太鼓の祭囃子が奏じられる中、赤装束の舞人(チョマン)が二本の綱の上で転回を見せます。ヤマタノオロチを演じているのだとか。
牛乗り
天王側の牛乗りは、7月5日から神人が一番統宅にこもり、神うつりして、神刀を担い黒牛の乗って、町内を練り歩き、川岸で船に向かって弓を引く所作をします。この所作は、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が八岐(やわた)の大蛇を退治した故事に習ったといわれています。八岐の大蛇に見立てられた蜘蛛舞が行われる時、祭神スサノオノミコトに扮した男が黒牛に乗って湖岸に姿を現します。
最終更新日: 2023-05-05
祭りは男鹿と天王をつなぐ八竜橋のそばで行われます
- ●営業時間
- 本祭の開催日は7/7